【元電気屋が解説】家電の「一人暮らしセット」はお得なのか?家電の選び方まで解説!
4月からの新生活に向け、「家電製品のセット」が増えてくる時期です。
家電製品をセットで買う際の注意点や、ポイントを家電アドバイザー資格をもつ元電気屋の目線でご紹介します。初めて家電製品をそろえる方は是非ご一読ください。
1.家電セットとは?(一人暮らし用/シングル用)
・ヤマダウェブコムの新生活スタートパック
・ケーズデンキオンラインショップの新生活セット
・ジョーシンwebの新生活応援セット
・ヨドバシ・ドット・コムのひとり暮らし家電セット
・エディオンの家電パック
多くの家電量販店では新生活に向けて「家電セット」が販売されています。必要な家電がセットになっているため、ひとつひとつ家電を選ぶ必要がありません。効率的に家電を揃えたい方におすすめです。
家電セットは1年中あるわけではなく、4月に向け限定的にセットが組まれます。そのため、限定モデルとして作られている家電がセットに含まれる場合は、品薄になる可能性を考えて早めに注文するといいでしょう。
家電セットとして販売されている物は一人暮らし用が多く、シングルセットと呼ばれます。小容量で機能が少ない家電が多いため、家電に求める事を決めておくのがおすすめです。
また、家電セットが「一番安い」セットとは限りません。展示品や処分品を狙うことで、家電セットよりもいい機種が低価格で手に入ることもあります。その際は配達してもらえるのか、自分で新居へ運ぶ必要があるのかを確認しましょう。(エリアをまたぐ場合は店頭の在庫を配達できない場合もあります。)
【家電セットの注意点】
・4月に向けて販売されることが多い(1年中あるわけではない)
・限定機種は品切れに注意
・一人暮らし用(シングル)は小容量で機能が少ない
・家電セットよりも展示品や処分品の方が安く購入できる場合があるが、自分で持っていかなければいけない可能性がある
2.新生活家電を店員さんに相談するには
新生活家電をそろえる際に、自分だけで揃えるのはかなりの時間がかかります。必要な家電と欲しい機能をメモしたうえで店員さんに相談するのがおすすめです。
最初に「家電一式を考えているので、見積もりが欲しい。」と伝えておきましょう。
【家電量販店で新生活家電を相談するポイント】
・必要な家電を洗い出しておく
・こだわりがある場合は必要な機能を伝える
・配達先は最初に伝える(配達エリア外の場合があるため)
・予算を伝える
・保証内容と延長保証の値段を聞く
家電セットと迷っている方は、セット以外の家電一式で見積もりを出してもらって決めるといいでしょう。その際、延長保証に加入した場合の金額も聞いておくとスムーズです。
価格交渉がしたい場合は、他店からも見積もりをとるのがおすすめです。根拠のない値引き交渉は失敗する確率が高く、ネットショップの価格と合わせる・または安くなることは難しいと思っておきましょう。
もちろん、聞いてみる価値はあります。店頭価格よりも安くなる可能性は高いので、同じ型番であればサイトのページを開いて価格交渉をしてみましょう。
店頭でのサポートを希望する方は店頭で、とにかく安く購入したい方はネットで購入するのがおすすめです。ネットの場合、「修理の際は梱包して発送しなければ補償が使えない」などひと手間かかる場合があります。
ネットで購入がおすすめ
・安く購入したい方
・店頭でサポートが必要ない方
店舗で購入がおすすめ
・店頭で直接相談したい方
・展示品などの訳ありで安いものを狙う方
・修理の際に店頭に持ち込みたい方
3.家電を選ぶ時のポイント
家電を選ぶ時の気にするべきポイントを簡単にまとめました。
どの家電でも置く場所の「サイズ」と「排熱スペース」は確認しておきましょう。
また、メーカーによっては処分する際の「家電リサイクル料金」が高額になる場合があります。(冷蔵庫、洗濯機、テレビなどが家電リサイクルの対象です)
買い替え時の処分料まで視野に入れると安心でしょう。
冷蔵庫の選び方
・「霜取り機能」がついているか
・電気代は他の冷蔵庫と比べ高くないか
小型の冷蔵庫には霜取り機能が付いていない場合があります。霜取り機能がついていないと、冷蔵庫のなかにどんどん氷が付いてしまうため、定期的なメンテナンスが必要です。
また、省エネ機能が付いていない場合、電気代が高額になる可能性があります。商品本体の値段だけではなく、数年使った場合の電気代も加味して選ぶのがおすすめです。
洗濯機の選び方
・ふろ水ポンプは付属しているか
・乾燥機能は必要か
・毛布などの大物は洗えるか(7Kg以上がおすすめ)
シングル用の5Kg前後の洗濯機には、ふろ水ポンプが付属していない場合があります。購入してから、「必要だったのに付属してなかった」ということがないように確認しましょう。
また、シングル用の縦型洗濯機には乾燥が付いていない機種がほとんどです。付いていたとしても完全に乾くものではなく、干す時間が短縮できる程度だと思っておきましょう。きちんとした乾燥機能を望む方は、ヒートポンプ式乾燥のドラム式洗濯機だと間違いありません。ただ、本体価格が20万円前後と高額になります。
掃除機の選び方
・手入れが簡単なのは紙パック式
・紙パックを買う手間が無いのはサイクロン式
・コード式、充電式、スティック型など使い方に合った形を選ぶ
紙パック式掃除機の特徴
・手入れが簡単
・吸引力が落ちない(フィルターの詰まりなど)
・紙パックを買うコストがかかる
・虫を吸ってもそのまま捨てられる
サイクロン式掃除機の特徴
・紙パックを買うコストが要らない
・フィルター掃除が必要
・ティッシュが挟める機種はフィルター掃除が楽
・虫を吸ったらゴミを捨てる時に目にする
紙パック式とサイクロン式は人によって好みが分かれます。「虫を吸ったときに見たくないから紙パック式がいい」というお客様も複数いらっしゃいました。
また、充電式は便利ですがバッテリーの劣化に伴い修理や交換が必要になるため、費用や手間が掛かる場合があります。延長保証を利用する場合、バッテリーの劣化も対象になるかを確認しておくのがおすすめです。
電子レンジの選び方
・電子レンジには50hzと60hzの2種類がある
・回転皿とフラットの2種類がある
・料理を簡単にしたい方はスチーム機能付きがおすすめ
購入する店舗が新居の近くであればヘルツ数の心配はありません。もし県をまたいでの引っ越しの場合は、50hzなのか60hzなのかを確認しておきましょう。
温めるだけであれば1万円以下のレンジでも問題ありません。スチーム機能がついているものだと、蒸し料理や加熱水蒸気による料理ができます。また、機種によっては凍ったまま焼き上げまでの調理を自動でしてくれるものもあるため、レンジは少しいいものをおすすめします。
特に初めての一人暮らしの場合は、レンジに入れてボタンを押すだけで蒸し鶏や焼き料理ができると安心でしょう。
テレビの選び方
・チューナーがいくつ入っているか
・YouTubeなどのアプリが入るか
・アンテナ線は付属しているか
・画質や倍速表示に問題はないか
地デジチューナーが1チューナーの場合、見ている番組しか録画ができません。裏番組の録画をする際は2チューナー以上のものを選びましょう。また、外付けハードディスク(HDD)が必要な場合があるため、アンテナ線と合わせて確認が必要です。
テレビでYouTubeやユーネクスト(U-NEXT)、ネットフリックス(Netflix)などの動画コンテンツを見たい場合は、アプリが入れられる・または入っているテレビが必要です。地デジチューナーが入っていない代わりにYouTubeが見れるテレビもあるので、必要に応じて選択するといいでしょう。
テレビがアプリに対応していない場合は、クロムキャストやHDMIの変換ケーブルなどでテレビにスマホの映像を映すことが可能です。
また、画質が4Kや8Kに対応していると、よりきれいな映像を楽しめます。スポーツなどの画面の切り替わりが早い映像を見る場合は、倍速パネルが入っていると滑らかに映ります。黒がしっかり黒くなるという点では有機ELもおすすめです。
炊飯器の選び方
・何合炊けるか
・IHや圧力がついているか
・内釜は丈夫か
炊飯器にはマイコン式やIH、圧力IHなどの加熱方法があります。マイコン式は内釜の下のみを加熱するため、ムラができやすいです。IHであれば側面にもヒーターが入っているため、炊飯のムラが減ります。
さらに圧力IHは、圧力を加えることでさらに高温で炊飯でき、もちもちした食感のご飯が楽しめます。圧力IHは圧力なべの代わりに煮物をつくったりもできるため、料理にも有効活用したい方にお勧めです。
炊飯器の内釜でお米を研ぐ方は、内釜のコーティングが強いものを選びましょう。ほとんどの炊飯器の説明書には「内釜で研がないでください」と書いてあります。コーティングが強い例として、「パナソニックのダイヤモンドコーティング」などが有名です。
パソコンの選び方
・CDドライブは必要か
・ハードディスクかSSDか
・LANケーブルやUSBを差す部分はあるか
・Adobeなどのソフトは必要か
・ウイルスセキュリティソフトは必要か
・Word、Excel、PowerPointは必要か
・タッチパネルやペンは必要か(イラストを描く方向け)
大学への入学でパソコンのスペックが指定されている場合は、スペックが書いてあるプリントやメールの文章を店員さんに見せるのが確実です。
過去には重さ○○kgと指定されている場合もありました。パソコンはスペックによって出来ることとできないことが大幅に変わります。個人的には「corei5」「SSD256GB」「内蔵メモリ8GB」が最低条件だと思っています。
本格的にパソコンを使う方は迷わずcorei7がおすすめです。AMDのRyzenは、長時間使用するとパソコンが熱くなるというデメリットがあります。そのため、排熱機能が高い素材を選ぶか、ファンを併用するといいでしょう。
インターネットの選び方
・家電製品とセットで購入時に割引が入るものを選ぶ
・工事が必要な光回線は、工事が込み合うことを考え早めに契約する
・引っ越しの可能性がある場合はモバイルルーターや置き型のWi-Fiがおすすめ
電気屋さんではスマホコーナーやインターネットコーナーが併設されている場合が多く、契約することで購入品から値引きされることがあります。プロバイダや回線についてこだわりが無い方は、家電を購入する時点で一番値引き額が高いインターネット契約を聞くのがおすすめです。
注意点として、割引額が高いとしても月額料金が安いとは限りません。
・購入時の値引き額(3万円割引など)
・月額使用料
・本体料金や工事代金
・解約した場合の解約料金
契約する際は上記を確認し、損しないように計算するといいでしょう。
まとめ
一人暮らし家電をそろえる時の最低限のポイントについてご紹介しました。購入後に公開が無いよう、譲れないポイントは抑えておきましょう。